マーケティング PPM分析について
皆様暑い日が連日続きますがいかがお過ごしでしょうか、大阪豊中も毎日37度超えの厳しい暑さが続いております。
暑さ対策は、日中はもちろん夜中に冷房をタイマーで切ると寝ている間にも熱中症になる「夜間熱中症」というのがあるようなのでお気をつけください。あとはよく食べ、よく眠って規則正しいリズムが大切のようです。
さて今日は、(WEB)マーケティングのPPM分析(プロダクトポートフォリオマネジメント分析)についての記事を書こうと思います。私がこのPPM分析について知ったのは最初は専門学校の時だったのでもう30年以上前になりますが、現在も経営資源の投資分配を判断する為に有効な手段(ベース)と考えられております。一方でPPM分析は新規事業の枠組みで考えると無理があるので、「SWOT分析」や「3C分析」など事業の内容に応じた判断が必要となる側面はあります。「SWOT分析」、「3C分析」については後日別の記事で紹介させていただきます。
PPM分析とは
PPM分析とは、ボストン・コンサルティング・グループが1970年代に提唱した分析手法で、「Product Portfolio Management(プロダクトポートフォリオマネジメント)」の略称です。
縦軸に市場成長率を、横軸に相対的市場占有率をおいて、事業や商品・サービスが図のどこに位置するかを分析して、その結果をもとに現在の商品やサービスが市場においてどのような事業構成になっているか
分析を行います。ここで少し注意すべきは横軸は絶対的市場占有率ではなく相対的市場占有率であることです。相対的市場占有率とは、自社の絶対的占有率に対して同一市場のトップ企業の絶対的占有率場占有率が占める割合です。
例)例えばあるマーケットにおいて
、
A社: シェア50%、当社:シェア25%、C社: シェア15%以下・・・(シェア=絶対的市場占有率)
この場合A社が1番の絶対的占有率を持っているのでA社の相対的市場占有率は100%になります。一方当社はA社の半分の25%になるので相対的市場占有率は50%となります。
絶対的市場占有率
自社商品・サービスの総売上金高÷市場全体の売上高
相対的市場占有率
自社の絶対的市場占有率÷トップ競合の絶対市場占有率
花形 (Star)・金のなる木 (Cash cow)
・問題児(Problem Cild)・負け犬 (Dog)
花形 (star)
(成長率:高、占有率:高)
成長率・占有率ともに高い言わるる市場においてトレンドのようなカテゴリーで成長性がある反面、競合も多く、新たな投資や開発、付加価値など多額の追加投資を必要とします。高シェアを維持し続けることで「金のなる木」へと育てるべきであるがシェアが低下すれば「負け犬」となるので注意です。製品ライフサイクルにおける導入期 - 成長期に属します。
市場の例)スマホ用アプリゲーム開発、電子書籍・音楽など・・・競合も多くかつスマホ利用者が多く人気が続いている
金のなる木 (cash cow)
(成長率:低、占有率:高)
花形と違う点は成長率の低さではありますが、占有率の高さから製品・サービスとして成熟しており企業としては利益を生み出す最大の要因となっているカテゴリです。花形から如何に金のなる木に転換させることができるかが事業計画において重要です。成熟期にあるため追加的な投資もあまり必要でなく稼ぎ頭となっていますが、市場が既に成熟局面にあり市場規模が維持できないと事業において利益を失っていくおそれもあります製品ライフサイクルにおける成熟期 - 衰退期に属します。
市場の例)スポーツドリンク(アクエリアス、ポカリスエット)・・・市場として安定期にあり、スポーツドリンクとして認知が既に高い
問題児(Problem Cild)
(成長率:高、占有率:低)
こちらは市場においてトレンドとなっていて成長率が高いが、まだまだ認知されておらず占有率が低い分野です。多額な投資資金が必要な反面シェアを拡大できれば「花形」に転換できます。シェアや成長が低いままだと「負け犬」の製品・サービスとなるので注意。製品ライフサイクルの導入期 - 成長期に属します。
市場の例)高級パン屋、テイクアウト唐揚げ店など・・・市場としてトレンド(または以前までトレンド)であったが、競合参入が多すぎて利益率も低い
負け犬 (Dog)
(成長率:低、占有率:低)
こちらは成長率もシェアも低く、利益も上げられないまま市場競争に負けてしまっている分野であり早急な撤退を検討すべきとされています。投資の仕方しだいでは「金のなる木」になりますが、深入りして撤退の時期を誤ると
損失の増大をもたらします。製品ライフサイクルにおける成熟期 - 衰退期に属します。
市場の例)紙媒体のジャンル(週刊誌、少年誌)など・・・電子書籍の台頭により衰退
PPM分析の限界と新規事業
PPM分析は経営資源の投資分配を図るうえで重要な分析手法でありますが、万能ではありません。一般的には以下の点に注意が必要といわれています。
PPM分析の限界・新規事業との相性
〇WEBマーケットと実店舗販売の分析を同一視してよいのか
〇PPM分析において上記の相対的占有率と市場成長率だけでカテゴライズしているが、各事業分野は相互に関連する例が多く、PPM以外にも考慮すべき要因が多数ある。
〇「負け犬」や「問題児」に分類される分野であっても、「花形製品」や「金のなる木」のシェア維持に貢献している分野もあるので、単純に区別できない。
例)「客寄せパンダ」的商品を販売しているような場合はそれを入り口に「花形製品」や「金のなる木」を購入しているお客様もいる
〇投資を抑えるべき「金のなる木」であっても、自動車産業のようにHVやEVなどのイノベーションで競争条件が変更されたり、市場成長率がさらに高まる可能性もある。
〇新規事業については基本的に初期の段階では「負け犬」に分類さることが多く、そもそもPPM分析の枠組みに収めることの無理がある、又負け犬」の分類とされた事業に携わる社員の恒常的なモチベーションを維持することも困難である。
参考・引用など
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